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グノー生誕200年コンサート in 練馬文化センター

 グノー生誕200年コンサート in 練馬文化センター  吉瀬弥恵子 講師 ワイズ 音楽教室 ( ヴァイオリン・ヴィオラ ) 練馬・中野・江古田・東京 Y's音楽教室  吉瀬弥恵子 よしせやえこ ヴィオラ奏者

(公財)練馬区文化振興協会舞台芸術支援事業
ミクロコスモス 『 Anniversary Series 』 No.3
グノー生誕200年コンサート 2018 in 練馬文化センター



グノー

  交響曲 第1番 ニ長調

  管弦楽曲 『 操り人形の葬送行進曲

  モテット 『 ガリア 』   ( ラテン語上演 )

    渡邉 恵津子   ソプラノ

  オペラ 『 サバの女王 』 より抜粋   ( フランス語上演 = 演奏会形式 )

    渡邉 恵津子   バルキ ( ソプラノ )
    下村 雅人     アドニラン ( テノール )
    鹿野 由之     ソリマン ( バス )


久保田 洋   指揮

グノー生誕200年オーケストラ & 合唱団
スタジオ園 グノー・プロジェクトチーム ( バレエ )


主催・お問い合わせ : ミクロコスモス

   📱 090-8039-5205   ✉ micro@mub.biglobe.ne.jp


2018年09月01日 (土)  14:00

於 : 練馬文化センター こぶしホール ( 大ホール )     ≫ アクセス
〒176-0001 東京都練馬区練馬 1-17-37   ☎ 03-3993-3311

 グノー生誕200年コンサート 2018 in 練馬文化センター

 コンサート ご感想ページ へ


主催者、演奏家の皆さまへ



【 事務局便り Ⅰ 】  モテットガリア 』  って?

当館のメイン・ターゲットである 『 クラシックの入り口で戸惑っているお客様 』 を対象にご説明させて頂きます。 まず、モテット ですが、Wiki には ミサ曲以外のポリフォニーによる宗教曲 とあるのですが、ミサ曲以外の宗教曲? って言われてもねぇ。 ミサ曲ってカトリック教会のミサの際に用いられる声楽曲なのですが、説明が難しいのは独特の お約束事 が沢山あるってとこなんですよね。 なので 『 ボエーム 』 の中で ミミ が 「 時々はミサにも行くわ 」 って言ってる程度、私たちも 『 教会の声楽曲 』 くらいの認識で充分だと思います。 ただし、『 ポリフォニーによる 』 ってところもかなり重要で、ポリフォニー とは モーツァルトベートーヴェン より古い時代 、ヴィヴァルディー とか バッハ の頃 、つまりバロック音楽の時代に ( それ以前から ) 主流だった音楽の形式です。

現在の メロディーと伴奏 という発想ではなく、複数の旋律が互いに絡み合い、交差しながら進んでいきます。

   ≫ 参考動画  バッハ フーガ  ト短調 BWV578
     ( 所々音程が間違ってて気持ち悪いのをお許し願います )



ガリア で連想するのは ジュリアス・シーザー の 『 ガリア戦記 』 ではないでしょうか。 シーザーがガリア地方への遠征で戦った際、ローマの元老院に送った戦況報告書といった体裁で書かれたものだそうです。  ちなみに 、ざっくりですが …

ガリア       フランス、ベルギー、スイス及びオランダとドイツの一部
ゲルマニア    ドイツ、ポーランド、チェコ、スロバキア、デンマーク
ブリタンニア    グレートブリテン島とその周辺の小島群

シーザーって、イギリスまで出向いて戦ってたんですね。


ここまでは前置き。 ガリア戦記は紀元前1世紀の書物。 それから 2,000年、グノーのモテットは19世紀に書かれたものです。

モテット 『 ガリア 』 が書かれた当時、グノーの祖国フランスはプロイセンとの普仏戦争に敗れ、パリは陥落し、グノー自身は戦乱を避けイギリスに逃れていた時代です。 なのでこの曲はイギリスで初演されました。 このあたりの経緯は本公演の主催者様のブログに詳しいのでご参照願います。

     ≫ グノー 「 ガリア 」     ≫ エレミア哀歌

グノーの生きた時代 、『 ガリア 』 って言葉にはフランスを褒め称える要素があったようです。 っつうか、今もあるみたいです。 ( 千年の都・京都 みたく ) 古くから続く由緒正しい土地柄 って事でしょうか。 名残りなんでしょうね。 現在もギリシャではフランスをガリアと呼んでるのだとか。

なので、グノーの モテットガリア 』 とは、彼の祖国 = フランスを称える ( 今回の場合は戦争に負けた事を哀しみ、祖国を愛しみ鼓舞する ) バロック時代の宗教曲風に書かれたグノーなりの声楽作品という事なのです。

モテット という名称になったのは、歌詞をミサ曲の決まり事となっている文言ではなく、エレミヤ哀歌 とも呼ばれる旧約聖書の 『 哀歌 』 から採っている事に由来しているのだと思います。 グノーはここで、当時のフランスの人々の心の底にあった深い挫折感を、戦に負け捕囚となって適地 ( バビロン ) に赴いているイスラエルの民の心情 = エレミヤ哀歌 になぞらえているのです。 なお、本公演のように管弦楽を伴うモテットをフランスでは 大モテット ( グラン・モテ ) と呼んでいるのだそうで、そんなところにも当時のグノーの気概が伺えるような気がします。

ちなみに 、プロイセンはこの勝利をきっかけにドイツを統一し、以降歴史からプロイセンの文字は消え、代わりにドイツという名前が台頭してきます。 ルイ王朝以前から、また、ナポレオン以降ずっと優位を保ち続けてきたフランス人のプライドは地に堕ち、ドイツ人の自信とフランス人の屈辱感は、そのまま第一次世界大戦へと引き継がれていく事となります。

そっかぁ、ドイツって建国150年にも満たない若い国なんですね。 皇紀 2,678年はともかく、アメリカよりも若い国なんだなぁ。



【 事務局便り Ⅱ 】  サバの女王?  どこかで聞いた事あるような気がするけど、何んかしっくりこないっつうか … ですよね。  鯖の女王? 大物が釣れたかな?

えっとー、シバの女王 ならしっくりきますか? こちらなら、たぶん多くの方がご存知ですよね。 芝の女王と言えばナブラチロワ選手の事でしょうけれど。

シバの女王 』 って、ミシェル・ローランというチュニジア出身の歌手が作ったシャンソンなのだそうですが、かつて レイモン・ルフェーヴルポール・モーリア などが盛んにカバーし演奏していた、我ら高貴高齢者世代には大変懐かしい イージー・リスニング の代表曲です。 グラシェラ・スサーナさん、ペドロ & カプリシャス時代の髙橋真梨子さんなども歌ってらっしゃいました。

これ、本来は旧約聖書に出てくる シバ という国の ビルキース という女王様の事のようです。 この話、大変面白いので、ご来館のお客様におかれましては ぜひ Wiki などご参照頂きたいと思います。 オペラの背景の理解にも大いに役立ちます。

背景と言えば … 主催者様に敬意を表し、上記、正規のあらすじは主催者様のページにリンクを貼らせて頂きましたが、フランスオペラの楽しみ というサイトのものも大変良く出来ており、併せてこちらにも目を通して頂くと、このコンサートが益々楽しいものになること請け合いです。 お子様向けのオペラ公演でない限り、基本は原語上演だよね、って思っている事務局ですが、ならばなおさら予習は大切ですよね。 そう言えば本公演、字幕は用意されているのでしょうか。

   フランスオペラの楽しみ ≫ シバの女王 ( グノー )


さて、サバの女王シバの女王 との違い、『 鯖 』 vs 『 芝 』 という話題に移らせて頂きます。

この曲、原題を 『 La Reine de Saba 』 と言い、フランス語です。 シャンソンもオペラも同じ題名です。 Reine は 『 女王 』 、Saba は国の名前です。

Saba 、普通に読んで サバ ですよね。

そう。 この曲、本来は 『 サバの女王 』 なんです。 鯖の勝ち!  v(^o^)v

詳しい経緯は分かりませんが、この曲が日本に持ち込まれた際、アメリカ綴りの 『 Sheba 』 になってしまった、ただそれだけの事みたいなんですね。


それでは もう一つの疑問。 この、同じ日本で、レイモン・ルフェーヴル が 『 』 で グノー がなぜ 『 』 なのでしょうか。

これ、こう呼ぶようになった我が国の歴史的経緯が最大の理由だと思うのですが、その根底に、日本のオペラ界の人たちが格好をつけ = もったいぶって、「 なるべく原題に忠実にやろーよ 」 って事になっちゃってるのがそもそもの原因だと事務局は考えるのであります。 アーティストの人たちって、例え身なりはどうであれ、ご自分のお仕事に対しては凄っごく 『 ええ格好しい 』 でしょ。

芸術家がアイデンティフィケーションを大切にし ええ格好しい なのはとっても重要な事なので いた仕方ない と言えるのかもしれません。 が、それにしてもこれ、面倒臭いですよね。 鯖・芝問題 に限らず、今回のキャスト …

バルキ    シバ国の女王、ビルキース さんの事です。
ソリマン    イスラエルの賢王、かの有名な ソロモン王 の事です。

ま、当時、旧約聖書の時代、ご本人たちがこれをどう発音されていたのか分かりませんが、現在の日本で ソロモン王ソリマン さんとか、習近平 さんを シー・ジンピン さんとか言われても、分かる方、まずいらっしゃいませんよね。 事務局は 「 ソロモン王 のほうが いんじゃね 」 って思ってる派ですが、ご来館のお客様はいかがでしょうか。

フランスオペラ、このような楽しいエピソードには事欠きません。

グノー オペラ 『 フォースト 』        ( ファウスト )
グノー オペラ 『 ロメオとジュリエット 』   ( ロミオとジュリエット )
トマ   オペラ 『 アムレ 』          ( ハムレット )
マスネ オペラ 『 サンドリヨン 』       ( シンデレラ )
マスネ オペラ 『 ドン・キショット 』      ( ドン・キホーテ )

   … とかとか   ^^


えー 、言葉遊びから離れます。

グノー と言えば、何と言っても 『 アヴェ・マリア 』 でしょうか。 これに異論のある方は少ないと思います。 ただ、グノーさんのご本業はオペラの作曲家さんです。 たぶんご本人もそう思っていたのではないかと、事務局は勝手に妄想しているのですが …

今、これを読まれているお客様の中で ヴェルディ をご存知ない方はいらっしゃいませんよね。 イタリア・オペラの巨匠 、『 リゴレット 』 、『 椿姫 』 、『 アイーダ 』 などの作曲者 ヴェルディです。 グノーとヴェルディ、この二人、お国は異なりますがほとんど同世代のオペラ作曲家さんなのです。

   ヴェルディ    1813/10/10 - 1901/01/27
   グノー      1818/06/17 - 1893/10/18

事務局は学者でも研究者でも音楽家でもないので、何の根拠もなくただ妄想するだけなのですが、このお二人、同世代のオペラ作曲家としてお互いを意識していた、少なくともグノーはそうであったであろうと考えているのですがいかがでしょうか。

ヴェルディは1842年、29才の時に3作目のオペラ 『 ナブッコ 』 で大成功を収めます。 これが彼の出世作となります。 ナブッコは 、バビロンに捕囚されたイスラエルの民と、バビロニアの王様、ネブカドネザルとの物語です。 ナブッコ って ネブカドネザル王の事です。

戦に負け捕えられ、捕虜として敵国 ( バビロニア ) に連行され、そこでの使役に耐えて暮らすイスラエルの民は、かつて、遥かご先祖様の時代、つまりソロモン王の時代に栄華を極め、華やかに宮殿が建っていたとされるシオンの丘に想いを馳せ、『 行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って 』 と歌います。 バビロニアとの争い以前、そこには神殿が建っていましたが、今ではそれも破壊され廃墟となっているはずなのですが、それでもイスラエルの民たちにとって故郷の丘は心の支え、希望の地なのです。 ナブッコ とは、そういうオペラです。

※ イスラエルの民と書いてまいりましたが、このような場合ユダヤ人もヘブライ人も同じ意味で使われます。 また、シオンの丘 とは、狭義にはソロモン王の父ちゃん、ダビデ王 ( イスラエルの民 ) が最初の戦に勝利した地 『 ダビデの町 』 であり、その丘にソロモンの宮殿は建てられたのですが、大雑把に現在のエルサレム地方の歴史的地名であり、広義にはイスラエルの民の心の拠り所としてのシンボル、彼らの呼び名ともなっている言葉です。


1862年 、ナブッコ 初演から20年、オペラ 『 サバの女王 』 …

   やべぇ 、パソコン ( IME ) が 『 鯖の女王 』 を覚えてしまった。  ^^;

ナブッコ 初演から20年 、今度はグノーのオペラ 『 サバの女王 』 が発表されます。

これ、本当に事務局の妄想なのですが、グノーはヴェルディを意識し、華やかなシオンの丘で展開するオペラを ハッピー・エンド や ラブ・ロマンスでは無いものとしてずっと心に温めてきたのではないでしょうか。 その結果としてこのオペラがここにあるような気がするのです。 大がかりなオペラとなっているのもヴェルディを意識しての事だと思うのですが、いかがですか。

目を閉じ、心静かにこのオペラを拝聴していると … あ、これは 椿姫 のあの場面。 今度は アイーダ のこの場面。 … 次々とヴェルディ―のオペラが目の前に拡がってくるのです。


ご来館のお客様、練馬文化センターに出かけられるお客様におかれましては、グノーの心情、かつてのイスラエルの人々やシオンの丘にも想いを馳せて頂けると、当館として こんなに嬉しい事はありません。 この公演が素敵なコンサートでありますように。 大盛況、大成功を心よりお祈り申し上げさせて頂きます。

※ 私事で申し訳ありませんが、この度、2018/04/04 付けの人事異動により、事務局員として再出発する事となりました。 よって、コメントのタイトルを 【 事務局便り 】 とさせて頂いております。

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[ 2018/07/22 16:20 ] 公演予定・元 公演予定 | TB(-) | CM(-)