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岩見玲奈 マリンバリサイタル in 相模湖


岩見玲奈・冨永愛子 コラボレーション・コンサート 2015/06/27 07/20 記事はこちらから。



岩見玲奈 マリンバ・リサイタル in 相模湖交流センター
 ( 岩見玲奈、田村拓也、池上秀太、打楽器コンサート )



三木 稔  『 マリンバ・スピリチュアル 』
アンダーソン・メドレー
チャールダーシュ                  … ほか


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田村 拓也   打楽器・ピアノ     ≫ ホームページ
池上 秀太   打楽器


主催 : 神奈川県立相模湖交流センター ( 指定管理者 アクティオ株式会社 ) 相鑑舎

06月15日 (日) 14:30
於 : 神奈川県立相模湖交流センター 多目的ホール   ≫ アクセス
〒252-0171 神奈川県相模原市緑区与瀬 259-1    042-682-6121

 岩見玲奈 マリンバ・リサイタル in 相模湖

 岩見玲奈 マリンバ・リサイタル in 相模湖



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 ≫ 隠居通信 『 舞い降りた “奇蹟の女” 』   ( 2010.07.04 )
 ≫ 隠居通信 『 今年最高の演奏会 』      ( 2013.04.17 )



【 館主敬白 】 またまた 古い話で 、 しかも岩見玲奈さんとは ほとんど関係のない内容で 申し訳ないのですが …

かつて、有賀誠門さんと岡田知之さんという方が、日本の打楽器界を席巻し 覇を競っていた時代がありました。 と言っても、それは 我々青二才どもが熱く語っていただけで、ご本人たちが反目し合っていたわけではありませんけれど。
有賀さんは 『 穏やか 』 、岡田さんは 『 颯爽 』 、そんな演奏だったと記憶しています。

有賀誠門さんといえば、年末恒例 N響・第九公演、二楽章、264 (?) 小節あたり 。  例の 『 タンタン 』 が8回連打される部分を、腕を交差させて叩かれていたのを思い出します。 口角泡を飛ばし 髪振り乱して、という演奏ではありません。 平然と、何事も無かったかのように いつもどおりの表情で。 格好いいですよねぇ。 それに続く 三連符 → 四分音符 の部分で わずかに嬉しそうな表情を、チラリ とされる時があるのです。 たぶん、上手く叩けたんでしょうね。 その安堵感と満足感がブラウン管のこちら側にもしっかり伝わってくる演奏でした。

岩見玲奈さんの経歴を拝見していて 有賀さんの名前を見つけ、思わずここまで書いてしまいました。 思い起こせば40年前、有賀さんは音大での教鞭も執っておられました。 ちなみに、同じ頃 岡田知之さんも学園音大で教壇に立っておられ、 それ等が結実して今日があります。 学校も教師も生徒も 本気だったのが分かります。

お二人とも ご健在でしょうか。 もし 足取りがおぼつかなくなっていらしたとしても、ティンパニーの前に立てば矍鑠として第九の二楽章の10分くらいは演奏して頂けそうな気がします。 もしそんな機会があるのなら、奥さんを質屋に押し付けて 、 絶対! 絶対 行かなくては!


意識してコンサートから遠ざかって35年。 コンサート断ちをして9年を過ぎました。 それでも 時には テレビのリモコンを押したり YouTube の画面を開いてみたりするのですが、あの腕・交差奏法での第九の二楽章は見かけません。 私が最後にあれを目撃したのは、はるか遠い昔、当時 岡田さんの弟子だった友人に頼み込んで 第九の演奏会に披露してもらった時です。 あれ、今でもどこかで、どなたかがやってるんでしょうか。  あぁ、それにしても時間が経ってしまったなぁ。




【 館主つぶやき 】 舞台の撮影をしていて 一番厄介なのは女性の歌手の方です。 J-POP のお嬢さんなら どんな状況でも格好がつくものですが、 例えば プログラムに 『 復讐の炎は 』 なんてのが載っていようものなら、カメラマンとしての気分は最初から ブルー です。 音楽的にも最高潮、奏者の方にしても最高の見せ場なのですが 、 なにしろ人を殺めなさいと実の娘に申し渡している おっかない おばさん ( この人、世界征服まで企んでるんですっ! ) の役ですから 目は吊り上がり、 出しにくい高域を歌うので 顔は引きつり 口は大きく開かれ …  どう頑張っても 美しく 、 可愛らしく撮れるわけないでしょ。 とくに歌手が美女だったりすると、 それが美しく撮れていないのは撮影者の責任 ?  勘弁して頂きたいですっ!  責任はモーツァルトにあるでしょ!
女性の方には、特に私は美しいと密かに自負していらっしゃる方には、 穏やかな、 でも でも でも でもなく 、 オー と中域で伸びる曲を選んで頂きたいです。 そしたら、誰が撮っても 上手くいきます。 以下の写真は たまたま うまくいってしまったものの中の一つです。 写真はどうしても 被写体に依存してしまいます。 岩井理花さんの美しさが一番の功労者ですが 、 曲も手ごろでしたし、何より 演奏が心に響きました。 照明や衣装の方にも感謝してます。
レハール 『 メリー・ウィドウ 』 より  " 昔、ヴィーリャという森の妖精が "  岩井理花 ハンナ

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もう何年もその存在が気になり、応援している若者が何人かいます。 Yちゃんのトランペットは本当に伸び伸びと明るく響きます。 よく、ルネッサンス時代のイタリア絵画に、キューピットがラッパを吹いているのがありますが、きっと Yちゃんのような音がしていたのではないかと思っています。 いつぞや、タンギングの超絶技巧を聴かせて頂いたものですから、打ち上げの席で

「 ダブル、すごかったね。 」   と 生意気を言ったら …
「 あれ、トリプルです。 」     と 返されてしまいました。

歩いている時も 「 トゥトゥク トゥトゥク 」 と 、ぶつぶつ 唱えていたそうです。 マウスピースを口に当てて、どうやって トゥトゥク トゥトゥク とやるのでしょうか。 素人には不思議な世界です。

その Yちゃん 、 天使のマウスピースを唇に当て 一旦吹き始めると、そのマウスピースが災いして とても怖い顔になってしまうのです。 美人さんだし、チョー・可愛いし、応援してるし、大好きなのですが 、 どうしようもありません 。 本当に 本当に残念でなりません。

女性の歌手の方の次に、管楽器の方の撮影も難しい場合が多いです。

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というわけで、やっと話題が打楽器奏者の方に移ります。

私個人は、過剰なパフォーマンスは鼻についてしまう性格です。 どこかに書いた気がしますが、パフォーマンスを観に行っているわけではなく、演奏を聴きに行っているわけですから、演奏する動き、運動エネルギーは 100% 音の振動エネルギーに 変換してほしい というのが素直な気持ちです。 あまり動かれると 「 あ、音が逃げちゃう! 」  … 残念でなりません。

とは言え、演奏というのは演奏家の方の心の持ちよう、魂の在り方なわけですから 体は自然と動いてしまいます。 微動だにしないのは不自然だし、味気ないです。 タイピストのキーボードさばき、板前さんの包丁さばき、大工さんの鉋 ( かんな ) さばき、ピアニストの鍵盤さばき、ヴァイオリニストの弓さばき、打楽器奏者のバチさばき。 皆さん美しいし、美しくあって頂きたいです。

前出、有賀さんや岡田さんのティンパニーも美しかったです。 マリンバで言えば、やはり応援し続けている若者の一人 ( 今回のソリスト、岩見さんの大学の後輩でもあります。 ) 、 Kちゃん の 『 竹林 』 なども、心に強く残っています。

そう、打楽器というのは 聴かせて頂く楽しみとともに、見せて頂く楽しみもありますよね。



【 第九 二楽章 腕・交差奏法 補追 】 これ、今、私が便宜上 勝手に命名したもので、業界用語で何と呼ばれているのかは 残念ながら存知あげません。 ただ、これで通じる方には充分なはずです。 で、分からない方のために補追です。 ますます分からなくなってしまうかもしませんが、辛抱強く付き合ってみて下さい。 それでも、どうしても混乱してしまう方は、分かった ふり だけでも結構です。 どなたか、再現してくれる お友だちがいれば最高ですね!

第九というのはベートーヴェンの九番目 ( 最後 ) の交響曲のことです。 交響曲というのは四つの楽章で構成されており、ちょっと見には 四曲演奏されている風に思えますが、四つの楽章で一曲 と見なします。 作曲者もそのつもりで作曲し、演奏者もそのつもりで演奏しています。 まぁ、西洋クラシック音楽のしきたり、お約束事ですね。 ちなみに この第九は、その第四楽章に四人の声楽家と混声四部合唱のパートがあり、 『 合唱付き交響曲 』 とか 『 歓喜の歌 』 、 『 喜びの歌 』 などとも呼ばれ、日本人ならどこかで必ず耳にしているはずの有名な曲です。
有賀誠門さんは打楽器奏者。 N響 = NHK交響楽団で主にティンパニーを受け持っていた = 打楽器の首席奏者だった方です。 なので、今回は第九、二楽章のティンパニー・パートの部分の話をさせて頂いております。

二楽章の 264 小節あたり、と書きましたが、正確には 264 ~ 271 小節にかけてです。 でも、これはスコア ( 総譜 ) が無いと分かりませんよね。 通常の ( 最初の部分を繰り返さない ) 演奏ですと、二楽章冒頭から2分を超えたあたりの部分なので、YouTube 等でご確認頂けると嬉しいです。 ちなみに下段の参考演奏では 2:14 ~ 2:17 の部分にあたります。 ただ … この映像は説明するのに都合がよいので使わせて頂きましたが 決してお薦めの演奏ではありません。 録音もひどくて、ティンパニーって こんな暴力的な、 ドラム缶をハンマーで叩いたような、坂道を転がり落ちていく 金だらい のような音はしませんし、オーケストラから突出もしません。 実際の会場でも、もっと丸くて粒の揃った、温かい音がしていたはずです。 さらには 映像の編集が かなり短く省略された構成になっていて … 、 これで二楽章を聴いたつもりになって頂いては困ります。 ぜひ一度、何か良い演奏を 通して聴いて頂きたいです。

 ≫ お薦め映像です。 サイトウ・キネン の小澤征爾。 キャストも演奏も、申し分ありません。

さて、いよいよ 『 腕・交差奏法 』 についてですが、下段、参考映像のティンパニー奏者の方は、腕を交差させて演奏されていません。 で、奏者から見て右側のティンパニーは 『 ファ 』 の音にチューニング = 音を合わせてあり、左側は それより1オクターブ低いファに合わせてあります。 で、 『 タンタン 』 と叩くのですが、最初の タン は、奏者から見て右側 、 高いファの音のティンパニーを叩き、 2番目と3番目の タン は、左側、低いファの音のティンパニーを叩きます。 また、アクセントは最初の タン にきますので、その部分は最高に元気よく、残りの タン は、少し控えめにすると、さらにそれらしく、格好よく聴こえます。
そしてこれを8回繰り返します。 つまり 以下のようになります。

タン   右手で右側 ( 高いファ ) のティンパニーを叩く。
    左手で左側 ( 低いファ ) のティンパニーを叩く。
タン   右手で左側 ( 低いファ ) のティンパニーを叩く。

タン   右手で右側 ( 高いファ ) のティンパニーを叩く。
    左手で左側 ( 低いファ ) のティンパニーを叩く。
タン   右手で左側 ( 低いファ ) のティンパニーを叩く。

これを4回繰り返えす。   ( 参考映像を よ ~ く 見て下さいね。 )


それではこれを、腕・交差奏法 でやるとどうなるのでしょうか。

タン   右手で右側 ( 高いファ ) のティンパニーを叩く。
    左手で左側 ( 低いファ ) のティンパニーを叩く。
タン   右手で左側 ( 低いファ ) のティンパニーを叩く。   ( ここまでは 全く同じです。 )

タン   左手で右側 ( 高いファ ) のティンパニーを叩く。
    右手で左側 ( 低いファ ) のティンパニーを叩く。
タン   左手で左側 ( 低いファ ) のティンパニーを叩く。

これを4回繰り返えす。   ゆ ~ っ くり やって下さい 。  ほら 、 腕が交差するでしょ。

( 最初から大きな音で叩くのですが … さらに どんどん強く! 5回目くらいからは 座布団が破れ、綿が飛び散るくらい強く叩いてね! と、ベートーヴェンさんが言ってますね。 この際 、 ご家族の ひんしゅく は無視!   )

つまり、腕・交差奏法の場合は、右手の次には必ず左手が、左手の次には必ず右手が交互にくるようになります。 どうですか? 座布団と菜箸、出来ればもう少し重めの マレット = バチ を使って練習してみて下さい。 お子さんの おもちゃ箱の底に 転がっているもので充分です。

せっかくここまでやったのですから、さらにワンランク上の演奏を目指しましょう。 つまり、座布団のどこを叩くかで音の響きが変化する事にお気づきですか? 叩きやすさも違いますよね。 叩きやすく、粒が揃っていて、ポンポンと弾けるような音のする場所を探しましょう。 それから、演奏する際の気分も大切です。 ルンルン気分で スキップしながら前に進んで行く。 そうです。 立ち止まったり 足踏みしないで、スキップで前に進んで下さいね! 例え座布団ティンパニーでも、そんな演奏になったら あなたはすでに達人の域です。
どうでしょうか。 努力が やがては成果となり、 可憐な腕・交差奏法に出会えるはずです。 自分の腕に惚れ惚れし、すぐにでも第九を叩いてみたくなりますよね。        ^^;




【 補追 の 補追 】 上記 『 タンタン 』 の8連打が二楽章の だとすれば、二楽章の 真髄 は208小節の部分にあります。 最初のまとまり ( 第一群・呈示部 ) が150小節あたりで区切りがつき、気分を変えて177小節 ( 1:29 ) から木管楽器が歯切れよく歌い出し 、続いて 連打ではなく 間がありますが 195小節 ( 1:39 ) からティンパニーの 『 タン・タ・タン 』 が元気よく4回 響きます。 そしていよいよ 208小節 ( 1:45 ) 。 5 回目の 『 タン・タ・タン 』 は優しく 、 奏者の想いの全てを込めて …  まだ 確かに愛があり、夢が何でも叶った頃、 恋人を優しく包み込んだように … それと寸分も違わない事を ティンパニーでやらなくてはいけません。 やがて愛は徐々に高揚していき 、 ついには 華の8連打 に突き進んでいく! そういう仕掛けになっているのでありますね。
   エッヘン!    ( 第二群・展開部 )

有賀さんの 208小節は、それはもう絶品でした。

たぶん有賀さんの奥さんは、自分のご主人に満足していらっしゃるのだろうなぁ。
そんな事、若い頃には思ってもみませんでしたが、例え 有賀さんだって ティンパニーを扱うように奥さんに接する事は出来ないとしても 、 今の私は そんな事を想うのであります。


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[ 2014/06/15 14:30 ] 公演予定・元 終了公演 | TB(-) | CM(-)